先日、東京12チャンネルでアルバイトをしたことがあると書いたが、大学3年の1968年の夏は、夏休み中にずっと運動部でアルバイトでいた。
その少し前に、臨時でプロ野球中継の手伝いをして、S、B、Oのストライク、ボール、アウトの(現在と順序が違う)表示を出すのをやった。
多くの人が誤解されているが、あの表示は、スタジオでモニターを見ながら、担当者がボタンを押して入れているのである。
時々、自分で勝手に判定を先にしてしまい、アンパイアと異なって間違うこともある。
その時は、「間違えました」と申告して一旦消してもらって入れ直すことになる。
NHKの高校野球の中継を見ていると、多数のアルバイトを動員するためか間違いが多く、係長の中村さんとは、
「NHKも間違いが多いね」と言い合ったものだが、そのように野球の中継は結構神経を使う大変なものだった。
その後の秋ごろに、やはり12チャンネルからサッカーの試合のアルバイトのお声が掛かった。
「三菱ダイヤモンドサッカー」である。
イギリスの一部リーグ(現プレミアリーグ)の試合をBBCが放送しているもので、当初は1週間のゲームのハイライト集だったらしいが、私が行った時は、その週の好ゲームの1試合の放送だった。
サッカーの1試合の1時間半を約半分に編集したものだが、試合の切れ目がほとんど分からない、さすがにサッカーの本場の国のテレビだと思ったものだ。
これでも点数を入れるのをやったが、フィルムなので、どこで点が入るか予めに分かっていて、「何分ごろに1点入る」と番組の進行表に書かれている。
日曜日の午前中に、当時東京タワー下の局に行き、映像と解説が録画されている番組の進行表の通りに点を入れればよいという非常に楽な仕事だった。
なぜ、この楽なアルバイトをその後を続けなかったのかは思い出せない。
多分秋に母がガンと診断されて手術をし、学生劇団の方も最後だと決めて、「全力投球する」ことにしたあらだろうと思う。