前に書いたラス・メイヤーの『ワイルド・パーティー』の前作の映画界内幕作品である。
ニューヨークに出てきたバーバラ・パーキンス、パティ・デューク、シャロン・テートの3人の女優の話。
有名大学出のパーキンスは、秘書から女優になりエージェントの男といろいろあるが、最後は田舎に帰る。
パティはミュージカル・スターとして大成功するが、酒と薬で自己を破壊してしまう。
シャロン・テートは、大根で肉体しか武器がなく自分で「私は体しかない」と言って、恋人の難病治療費のためフランスのポルノ映画に出て、最後は自殺する。
ルネ・クレマンの傑作『危険なめぐり逢い』にも、シドニー・ロームやロバート・ボーンが金のため、欧州のポルノ映画に出る挿話があるが、この頃はそうした状況だったのだろう。
なにより驚くのは、パティ・デュークの歌の上手さである。すごい迫力。多分吹き替えではないだろう。
アメリカには『タクシー・ドライバー』に主演したシビル・シェパードのようにジャズのレコードを出した女優もいるが、本当に実力が違う。
女優で売れなくなってジャズ歌手なるものになった阿川泰子や秋本奈緒美の日本とは根本的な差。