『人斬りお勝』に近藤正臣が出ていたが、彼の映画出演では最も早い方である。
最初は、今村昌平の『人類学入門・エロごと師たち』だが、私たちが強く印象付けられたのは、加藤泰の名作『懲役18年』での桜町弘子の弟役だろう。
彼は、すねてぐれた若者で、刑務所で安藤昇と知り合う。しかし、ワルの看守若山富三郎にだまされ安藤を襲う。
最後、近藤は若山に殴り殺されるが、そのシーンの暴力性のすごさ。
あれは、むしろ若山の近藤への同性愛だと言った友人がいたが、正に慧眼であろう。
若山は、勝新太郎と同様にそのユーモアがすごい。先日の『人斬りお勝』でも特別出演で出てくると場内大爆笑だった。そのすごみ方が可愛いというか、実におかしいのである。