一昨日、関内のさくらワークスで、神奈川県立図書館を考える会のシンポジウムが行われた。
座間市図書館の三村教美さん、海老名市図書館の谷一文子さんのお話があった後、討論になった。
お二人共、現在紅葉丘にある県立図書館の新規の場所について、県央部を挙げられたので、私は関内の横浜市役所跡を言っておく。
その理由は、以下のとおり。
1 1954年に紅葉丘に作られた神奈川県立図書館は、設立当時は大変立派な施設で、1964年の日活映画『赤いハンカチ』にも出てくる。
だが、丘の上にあたかも「孤高の存在」となっていたため、世の中の変化と無関係で、それが時代の変化に無縁な存在になっていた。
3年前に緊急財政対策の一つとして県立図書館の閉鎖とも言うべき案が出てきたのも、こうした世の中の動きと無縁になっていたことがある。
2 それを県央部の郊外に移転させることは、立地論から見て一見公平のようだが、再び「孤高の存在」にしてしまう虞があること。
3 高齢者や障害者は、坂の上の紅葉丘に登ることは大変で、バリア・フリー時代に相応しくないこと。
4 これに対し、関内の横浜市役所跡に移転させれば、アクセス上は最高で、また移転跡地の利用計画については、現状はまだ決まっていないこと。
5 文化施設等の郊外移転は、1970年代以降、中央大学、青山学院大学の移転があった。
だが、青山学院は、淵野辺は残したが、厚木についてはやめ、元の青山に戻った。
これに対して近年大学のランクの評価が上がったのは、明治大学で、これは駿河台から動かなかったためである。
6 このように文化施設は、多くの人が蝟集する場にこそ置かれるべきで、そこでの様々な刺激や交流が、進歩の基になるからである。
大体、以上だが、11月3日夜に、横浜開港記念会館で開催されるとのことなので、ご興味のある方は是非どうぞ。