1960年、篠田昌浩の初監督作品、これは渡辺美佐のことを知ったことと、東京駅の外に米軍基地等へのジャズメンの供給場所があったことから想起されたものだそうだ。
もう一つは、日本のポピュラー音楽が、ジャズからロックに移行していくことも背景にしている。
そこで渋谷のクラブの仕事にありついた小坂一也だが、秘密ヌードクラブで、手入れに会ってしまう。
心配した渡辺美佐役の鳳八千代は、いろいろなクラブの仕事を斡旋してくれる。
ある夜、鉄道の高架線で自殺しようとしている牧紀子に遭遇して知合う。
彼女は、日比野恵子という妻がありながら、牧紀子と浮気して執着している佐竹明夫と別れて男に絶望したためだった。
牧紀子は、鳳の世話で、ストリップ劇場で踊ることになると共に、鳳から離れようとする平尾正章をプロダクションに繫ぎ止めるために、平尾と寝ることになる。
それを聞いても小坂は何もできず、牧紀子はさらに絶望する。
要は「若者は、なぜ互いに傷つけ合わなくてはいけないのか」がテーマで、チーフ助監督山田洋次が作った予告編には、それが極めて強く出ていた。
最後、小坂は同居しているチンピラが持っていた拳銃で平尾を撃ち、富永ユキらの平尾の親衛隊にボコボコニされて警察に逮捕される。
篠田の孤独感が良く表現された作品だと思う。
衛星劇場