映画音楽に多大な足跡を残された伊福部氏が亡くなられた。91歳。
実は私が、ロック雑誌の『ミュージック・マガジン』に最初に持ち込んだ原稿が、キング・レコードの全10枚の『伊福部昭・映画音楽全集』だったが、長すぎるとのことで没になった。
伊福部と言えば、勿論『ゴジラ』だが、『ゴジラ』もあの音楽抜きにあれだけの成功を収めたか、伊福部さんの貢献は確かに大きい。
私の日本映画ベスト3は、早坂文雄の『七人の侍』(黒沢明監督)、武満徹の『青幻記』(成島東一郎)、それに伊福部昭の『ゴジラ』(本多猪四郎)である。
この3人に共通するのは、正規の音楽教育を全く受けていないことで、よく考えればモーツアルトもベートーベンも正規の音楽教育など、受けていないのだから、芸術に教育なんて必要ない、というのも一理ある。
そして、早坂と伊福部は無名の青年時代、共に札幌にいて親友であり、武満は早坂の弟子である。
どこか、この3人の作風が似ているのは、その性か。
3人に共通するものとして、邦楽の使用があげられる。
早坂が溝口健二の映画『山椒太夫』のタイトルで使った重厚な行進する感じの曲は、芥川也寸志のNHKの大河ドラマ『赤穂浪士』の有名なタイトル曲に繋がっていると思う。
新聞の訃報には、伊福部さんの弟子として、黛、芥川、松村偵三らの名があげられていたが、一番正統な弟子は、大映の『白い巨塔』『越前竹人形』『陸軍中野学校シリーズ』等の多数の作品で、師を上回る重厚で繊細な音楽を作られた池野成だろう。
コメント
伊福部昭先生、ご逝去
作曲家の伊福部昭先生がお亡くなりになりました(東京新聞)。91歳。 伊福部先生と
伊福部昭さん逝く
伊福部昭さんが亡くなられたそうだ。
91歳で
天寿をまっとうされたということだけど、
やはり悲しい。
「ゴジラ」のテーマ曲はあまりに有名だが
「座頭市」など、沢山の映画音楽を手がけてこられた。
思い起こせば、あれも、これも、伊福部さんの音楽だ。
大地に根ざすよ
伊福部先生 死去
おそらく世界的に認められた日本初の作曲家であり、ゴジラを始めとする映画音楽でも有名な伊福部先生がお亡くなりになりました。91歳といえば、ある意味天寿を全うされたともいえますが、私は先生の音楽の全てを自分の血となり肉となるほどに聴く....ということをライ