放送大学の高橋和夫先生の『パレスチナ問題』の7回目は、1982年から始まったレバノン戦争だった。
これは、ヨルダンを追われ、レバノン領内に逃げたパレスチナゲリラたちをせん滅するため、イスラエル軍がレバノンに攻め込み、その結果PLOなどの武装組織は、チュニジアに亡命することなった戦争である。
この間には、レバノン内の親イスラエルのキリスト教右派によるパレスチナ人虐殺などもあり、またシリア軍とイスラエル軍との空戦もあった。
そこで起きたことに一つが、パレスチナ人ゲリラによる米海兵隊宿舎への自爆テロが起きたことで、実は自爆テロが行われたのは、この時が最初だったのだそうだ。
また、シリアとイスラエルの空戦ではソ連製の戦闘機がまったくアメリカのF15の敵ではなかったことで、これは後に来るソ連崩壊の引き金の一つになったとのこと。
さらに、イスラエルはソ連製ミサイル基地を撃滅するために、無人偵察機を開発し、基地攻撃に成功したが、これが現在の民生用にもなるドローンの基になったのだそうだ。
今、私がやっているインターネットも元は軍事技術であるように、皮肉にも軍事技術は、いずれは民間用に転用されて革命的な技術の進歩につながるものなのである。
ますます、高橋先生のお話が面白くなってきた。
下は、レバノン出身で、アラブ最高の歌手フェイルーツで、彼女にはレバノンの遺跡バールベックで行われる音楽祭での音楽劇のLPもある。