ピアニストの中村絋子が亡くなった、72歳。
一度だけコンサートに行ったことがある。2001年の7月、モスクワ放送管弦楽団公演への客演で、サントリーホールだった。
感想は、かなりの熱演で、意外にも良かったという感じだった。
少なくとも、お嬢さん芸ではなかった。
30年以上前だが、横浜市主催のイベントで、千住真理子のヴァイオリンの演奏を見たことがあるが、これには大変に呆れた。
神奈川県民ホール・大ホールだったので、彼女には少々可哀想だったが、上手い、下手以前に、音が小さくてよく聞こえないのである。
典型的なお嬢さん芸だった。
千住に比べれば、中村絋子は、まともに聞くべき水準だったことは事実だろう。
この中村絋子の演奏を聞いた1カ月後、私は脳梗塞で倒れた、53歳の時である。
日本の音楽界に様々な話題を残したピアニストのご冥福を祈りたい。
コメント
Unknown
あんたすごい女性蔑視だよな。いつも思うよ。
追伸
言い足し。「お嬢さん芸」って。ホント、最低だよ。
真実を言って何が問題なの
お嬢さん芸は、お嬢さん芸じゃないの。
真実を言って何がいけないの。
彼女たちは一般の女性、普通人ではなく、芸術家なんだから、本来どのような批評も受けて当然なはずです。
千住真理子も、「お嬢さん芸で何が悪いの、お客さんはそれで喜んでいるのだから」というでしょうが。
私も、そういう客がいることは否定しません。
それじゃあ
あんたの嫌いな石原慎太郎と同じこと言ってるよ。
言葉の使い方勉強しよーねー。
批評は悪口とは違う
中村絋子も、千住真理子も見たことがあるの?
私は、二人ともきちんと見て、批評しているわけで、悪口ではありません。
2006年には以下のように書いていますので、ご参考までに。
アルマ・マーラー
2006年10月01日 | 音楽
「巨匠たちのミューズ・アルマ・マーラーとウィーン世紀末の芸術家たち」と題された神奈川県立音楽堂の企画(解説と演奏)は面白かった。
グスタフ・マーラー夫人のアルマ・マーラーが、クリムトをはじめ多くの芸術家と関係のあった「恋多き女」だったのは有名だが、他にもウィーンの優れた芸術家と人間関係があったのは知らなかった。
シェーンベルクとは、作曲家として同じ教師についていたり、自分も作曲をしていたが、マーラーとの結婚で諦めたことも。
そして、わずか11年のマーラーとの結婚の後は、多くの芸術家の「母親」的存在で彼らを育てたことも凄い。
日本で言えば、松竹歌劇団の大スターの後、日活のプロデューサーとして、石原裕次郎をはじめ多くのスタッフ、キャストを育てた、ターキーこと水の江滝子だろうか。
「12音音楽」を作ったシェーンベルグが、ベルリンのキャバレーで演奏していたというのも初めて聞いた。
彼は、現代音楽では武満徹と並び一番好きだが、底には通俗的なところがあると思っていたが、その通りだったのはうれしかった。
ヨハン・シュラウスの名曲『皇帝円舞曲』のシュェーンベルク版が演奏されたが、実に通俗キャバレー音楽で、解説を読み納得した。
マーラーを何故好きかと言えば、一番ワールド・ミュージック的だからだ。
彼の「交響曲第一番」には、カウベルから、街頭音楽、葬送曲に至るまで、巷の音楽や音響がふんだんに取り入れられている。
欧州の辺境に生まれ育ったこともあるのだろう。
アルマの歌曲は、20歳の女性のものとしてはすごいが、特別なものを表現したものではなく、その意味では「お嬢さん芸」に過ぎなかった。
マーラーと結婚し、作曲を諦めたのは正解だったわけだ。
お分かりでしょうか。悪口ではなく、批評として書いているのです。