『隠し剣 鬼の爪』は『たそがれ清兵衛』とよく似た映画だが、こちらの方が良い。そして、これを見て最初に思い出したのは、1952年に黒澤明・脚本を森一生が監督した『決闘鍵屋の辻』であった。
『決闘鍵屋の辻』は、言うまでもなく荒木又右衛門(三船敏郎)の敵討ちを描いたものだが、当時としては画期的なリアルな殺陣が評判となり、黒澤もこの作品の成功を見て『七人の侍』を作ったと言われている。
その意味は、侍の決闘や果し合いは決して清々堂々たるものではなく、時には卑怯な手を使うものだと言うことである。死むかもしれないのだ。卑怯だ、汚いなどと言っていられない。
この『隠し 』でも、永瀬はかなり卑怯な手で戦いに勝つ。そのことだけで武士としては失格だろう。実際はこんなものさ、という山田洋次の声が聞こえて来るようだ。
この作品の唯一つの欠点は、松たか子のキャスティングにあると思う。松が百姓出身の下女に見えるだろうか。私は、はじめ永瀬の妻だと勘違いしていた。
それに、本当はもう少し若い女のように思える。
例えば突飛だが、松浦亜弥のような若くて品のない役者が適役だったのではあるまいか。
コメント
隠し剣 鬼の爪
本日、藤沢周平原作の映画「隠し剣 鬼の爪」を見てきました{/kaeru_en2/}
えー多少、予想はしていたのですが…
劇場内の平均年齢は60歳↑でしょうか…
私は最年少のようでした{/face_sup/}
平日の午前中だったことが大きいと思いますが、
レディースディで行ったのに、男