先日、『ゴジラ』の第一作を見ていたら、カメラマンが玉井正夫であることに気がついた。
玉井正夫と言えば、東宝での成瀬巳喜男作品のカメラマンである。名作『浮雲』も彼である。『ゴジラ』と『浮雲』を同じカメラマンが撮影しているのはすごい。全く違う作風なのだから。当時の日本映画界のスタッフの力量のあるところだ。皆なんでもできた。
もっとも、成瀬の映画は極めて静かだが、実は大変カット数が多く、一種「アクション映画」なのである。だから、彼の助監督から石井輝男のようなアクション映画監督が出たのも不思議はないのだ。