1934年の松竹蒲田作品で、監督は島津保次郎である。
東京の郊外に住む、大日向伝と隣家の逢初夢子は隣同士で仲が良い。大日向の弟の磯野秋雄は野球をやっている。
この辺は、昭和初期の大衆文化がよく反映されているが、日常的な淡々とした描写で、大きなドラマはない。
そこに逢初夢子の姉で出戻りの岡田嘉子が戻って来て、大日向に手を出したりするが、彼女は家出してしまう。
さらに、父親が朝鮮に転勤になり、逢初は、大日向の家に同居することになる。
岡田の家出や朝鮮への転勤など、その後の日本の激動を暗示させるものでもある。
やはり、島津保次郎は非常に上手い監督である。
ラピュタ