1964年に松竹京都で作られた長門勇主演の時代劇。脚本は犬塚稔、監督は松野宏軌。
房州あたりの町の店で、酔った男がくだまいていて、これが清村耕次、あの『事件記者』の、あらさんの清村であるが、この2年後には自殺してしまう。
そこには、浪人の集団がいて、リーダーは堀雄二、他に吉田義男、江見俊太郎、高木二郎などの各社の脇役が7人で、腕がたつ連中で道場破りで生きている。中に、ニヒルな剣客の天知茂もいる。また、正体不明の僧侶で仕込み杖を持つ穂積隆信がついてくる。
長門は、ある村で、父親が村人に川に投げ込まれて一人になった子供と知り合い、連れていくことになる。勝山には従兄弟がいるので、そこに預けようとするのだ。
途中、やくざの親分の娘倍賞千恵子との淡い恋情があるが、長門は従兄弟の宗方勝巳が師範代をやっている勝山の竜崎一郎の道場に行く。そこの祭りで、子供の父親が現れるが、これがなんと蜷川幸雄である。彼は、妻を穂積に犯され自殺されたのだ。この蜷川が実に弱い侍だが、長門の手助けで穂積隆信を無事に殺す。
天知は、竜崎の道場にいて、宗方と、娘の小畑絹子を争い、果し合いをしたが竜崎から天知は「邪剣だ!」として破門されたのだ。天知の剣の構えは、座頭市のように逆向きで確かに普通ではない。
最後は、もちろん天知と宗方の決闘、さらに長門の浪人たちとの闘争で、長門が勝つ。
女スリとして野川由美子も出てくる。シナリオが『座頭市物語』の犬塚なので非常に面白く上手くできている。
衛星劇場