『金日成のパレード』

北朝鮮労働党大会の模様が報道されいるが、北朝鮮を記録した映画に『金日成のパレード』があり、非常に面白い作品だった。

1988年に韓国のソウルでオリンピックが開催された時、対抗して世界青年友好祭が行われ、それを撮影したポーランドの監督によって作られた作品。

日本では1991年に公開され、私は中野の武蔵野文化ホールで見た。

          

ともかくお笑いの作品なのだ。まず、「世界中の人間が金日成を崇拝しているのだ」と北のすべての人たちが信じていることが第一におかしい。

ともかく北朝鮮の体制のずれがすごい。

彼らが、世界一と信じ、自慢することが全部お笑いなのである。

これを見ると、金日成は、ありとあらゆる事柄に口を出して指示する人間であることが分かる。

例えば、ホテルで職員が、首領様のご指示でテーブルの配置を変えたとか、部屋の内装を変えたと言う。

それは、言ってみれば、松下幸之助以下の創業者、中小企業の親父が、会社のすべてに口を出すのと同じなのだ。

しかも、金一族で政権を固めるのも、中小企業と同じであるともいえる。

こんなやり方で、世界に相手にされないのも当たり前で、かつてのソ連、そして中国からの援助がなくなっている現在、孤立、苦境に陥っているのも当然だろう。

なぜ、こんな国が生き延びているかと言えば、2,400万人と人口が少なく、国としての規模が小さいからである。

同様に、西アジアには、カザフスタンなどおかしな独裁国があるが、それも規模が小さいことが一番の理由である。

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