小山台は負けたが・・・判官びいきはあった

7月27日の金曜日、東京MXテレビの高校野球中継を見ると、都立小山台が帝京高校に勝ってしまう。中継のアナウンサーは田中で、この人はフジテレビにいたはずだが、MXに移籍したのだろう。こういう移籍は良いことだと思う。小山台が東京大会の決勝戦に出たのは、69年ぶりとのことなので、私が生きている間には、二度とないだろうと思い日曜日は見に行くことにする。金曜日の準決勝戦は、テレビで見ていると内野応援席は一杯だが、外野席はガラガラだったので、日曜日の8時半に家を出る。

渋谷に着き、安藤忠雄先生設計の信じがたい構造の渋谷駅で東横線から銀座線に乗換えるのは大変なので、すぐに外に出てタクシーで行くが、神宮前駅を過ぎると大変な人出。

券売の列に並ぶが「内野席は満席」とのことで、外野に回る。三塁側外野席に行くと、通路のすぐ上に一席空いていたので、聞くと「空いてます・・・」とのことでそこで見る。本当は、高校の同級生の好きだった子も来ているはずで、再会しようというスケベ心があったのだが、到底内野席に見に行くことは不可能で諦める。

なんと小山台は、3-1でリードする。会場はひどく暑くて、アナウンスはしきりと

「本日は、高温多湿のため熱中症にはお気を付けください。水分を十分に取りください」と繰り返している。

確かに暑く、私は持って行ったTシャツを着替えた。

小山台にリードされて、二松学舎大付属高校は、奮起したようで中盤でバント攻勢で6-3と逆転する。そして、二番手で出てきた投手岸川は、なんと140キロを超える速球。高校生としては、「スピード違反だ」と言いたいくらいだ。二松学舎大付属高校側は、チヤリーダーもいて、全校上げてだろう熱心な応援。小山台もブラスバンドもあり、在校生だろうが大人数の応援で内野応援席が満席で結構盛り上がっている。

私がいた外野席の左右の人たちは、推察するに小山台とは関係はないが、野球が好きな人たちのように見えた。そして、三塁側外野席の小山台側は満員だが、こちから見て二松学舎大付属高校の外野席は、結構空いている。

こちらの観客は、要は「判官びいき」で、公立校の小山台を応援しているのだった。

近年の小泉純一郎・竹中平蔵の経済構造改革以後、日本人は強い者の味方になることが選挙では多く、判官びいきはもう存在しないと私は思ってきた。

だが、高校野球観戦のような庶民レベルでは、まだ判官びいきはきちんと存在していることを発見して大変に嬉しくなった。

二松学舎大付属高校は、打撃は普通だが、バントをきちんと決め、走塁も良いなどよく訓練されたチームのように見えた。

甲子園での活躍を期待したい。

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