『女の肌』

主演が京マチ子、根上淳、淡島千景のカラー作品で、始まりは大作のようだが、最後はただのメロドラマの腰砕けに終わる大映作品。

明治10年の西南戦争で、熊本から馬車で逃げる人々がいる。

馭者は潮万太郎、乗っているのは旅館の女の京マチ子と淡島千景、小物売りの北原義郎、新婚夫婦の鶴見丈二などの連中。原作が川口松太郎なので、元ネタはモーパッサンの『脂肪の塊』だろう。

ある町で馬車は止められ、「間者がいる」との査察を受ける。隊長は根上淳で、副官は杉田康。北原は、実は武士であることが剣術の跡から分かり銃殺されてしまう。

「本当はもう一人いる」とのことで、全員が降ろされ蔵に閉じ込められる。

そして夜、根上は女を寄越せと命ずる。杉田は反対するが、まずは京マチ子が酌に行くが根上とは喧嘩になり、結局淡島が根上のところに行き、一夜を共にする。

全体に西郷軍に好意的で、明治政府軍に反対的なのはどういうことなのだろうかは、不明。

西郷軍が迫る中で、戦闘が激化し、乗客はそれぞれバラバラになり、潮万太郎も間者だとして殺されてしまう。

京マチ子と淡島千景は二人で逃亡し、ある町に来て、淡島は「昔にいた町だ」と安堵して二人は旅館の廃屋に泊まる。

そこに敗残兵となった根上淳が来て、淡島と二人で、逃げていくところでエンドマーク。

なんと根上は最初から淡島千景が好きだったと告白する。

監督の島耕二は九州の人なので、西郷隆盛が好きだったのだろうか。

国立映画アーカイブ OZUホール

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