岡崎宏三さんが亡くなられた。86歳だったそうだ。
この人の本『ひまわりとキャメラ』(石渡均編 三一書房)はとても面白い本で、戦前に新興キネマ東京撮影所から戦時中の理研映画、さらに戦後の占領軍との仕事やスタンバーグとの『アナタハン』、さらに関西の中小撮影所から東京の東京映画に至るまで、日本の撮影所史のような感があり、とても興味深い。
この人の作品では、特に監督が好きなので豊田四郎との『甘い汗』や『波影』が好きだが、川島雄三の『花影』での池部良との別れを池内淳子が青山墓地の桜の下でやるところが最高である。
因みにこの映画の欠点は、主人公の池内が何故自殺するのか良く分からないところである。それは作者大岡昌平がわざと書かなかったからで、書くと自分が悪者になるからであろう。
中では、渋谷実から今井正、山本薩夫、木下恵介らの監督論、岸恵子、新珠三千代、若尾文子らの女優論も面白い。
また、村上龍の『だいじょうぶマイ・フレンド』以下、仕事をした若手監督についての評価も大変面白く、どこが良くてだめなのか極めて的確である。
岡崎さんが亡くなられると、戦前からの映画人でお元気なのは、美術の木村威夫さんくらいか。
宮川一夫さんは生きていられるはずだが、どの程度お元気なのか。
コメント
Unknown
宮川一夫さんの訃報記事のURLです。
http://www.nikkansports.com/jinji/1999/seikyo990808.html
岡崎宏三さんは、海外の撮影監督にも詳しく、お話を伺っていると次々とカタカナの人名が出てくるほどでした。いつまでも勤勉であられた様ですし、2003年に作品がある様に生涯現役でいらっしゃいました。
ご冥福をお祈り申し上げます。
岡崎宏三さん
今日、17日
岡崎宏三さんを送る会が
赤坂プリンスで行われました。
僕ももと、岡崎さんの撮影助手のひとりです。
ありがたいお言葉で、岡崎さんも喜んでると思います、ありがとうございます。