横浜で不良少女だった主人公の日夏たよりは、妊娠して17歳で赤ん坊を産んでしまう。相手は、内田裕也。
日夏の母親は、すぐに青木和子と分かったが、父親は「誰だ」と思うと、福原秀雄で、両親は赤ん坊を自分たちの家に持っていく。
この二人の元新劇役者が出ているのは、監督の藤田敏八も俳優座にいたことの人脈だろうか。
日夏の実家は、三浦の初声で、内田裕也とセックスしたので決闘になるのは、小川恵で、場所は京浜急行の北久里浜の車庫である。
日夏は、音楽の先生だった岸部一徳を「尊敬」していたが、アメリカに音楽の勉強に行くという夜にガランとした部屋で初めて性交する。
岸部は言う、「カッコつけていただけで、本当はしたかったのだ」と。
最後は、伊勢佐木町裏のバーで、飲み代を踏み倒した男は、横浜市公安課(もちろん、そんな課はない)の係長江角英明で、課の様子も出てくるが、日活のオフィスだろうか。
彼に300万円を要求すると、妻の渡辺督子が出てきて「恐喝罪だ」と逆に脅されるが、日夏と恋人は、江角の家に行き、渡辺をごうかんしてしまう。
最後、恋人は自衛隊に入り、日夏は、実家に行き、赤ん坊と抱き上げると「知らない女性」なので、大泣きされたところでエンドマーク。
藤田の映画は、とりとめがないが、脚本が放送作家の出倉宏と共同なので、筋の運びは良い。
1977年に蒲田日活で見ていて、あまり感動しなかったが、今見ると結構面白く、時代的に見れば先見的であるとも言える。
衛星劇場