NHKBSで2001年春に放送された『バブル』が再放送された。
主人公の刑事の西城秀樹の死によるものだが、初めて見て非常に面白かった。
その10年前のバブル時代の関西のことで、企業家の渡瀬恒彦の下で地上げと兵庫で不動産開発に当たるのは、高島政伸と恋人の辺見えみり。高島は、元は屋台でたこ焼きを売っていたあんちゃんで、辺見もブティツクの売り子にすぎなかった。
その二人が、渡瀬の指示で、兵庫での大型不動産開発に当たり、一時は億単位の利益を得る。
高島の実家は、東大阪の町工場で、金属の部品を作っていたが、銀行の融資で億単位の金を得たことから、兄は商品相場に手を出して破産し自殺する。
すると、残された妻の麻生裕美は、「未亡人の悲劇に浸るののはみつともない」と銀行員に言われ、知り合った渡瀬の指導で株取引に出る。もちろん、素人の麻生だが、予言が的中するとのことで、話題になり、金融機関の人間で門前市をなす。
これは、言うまでもなく、大阪の料亭の女将尾上某が起こした事件がもとだろう。
また、渡瀬の開発には、大手銀行頭取の娘かとうかずこが夢見るソムリエの学校、高級住宅等がある。
これは、住友銀行磯田会長の娘が起こした輸入会社PISAのことだと思う。PISAも昔は高級ホテルに入っていたが、後に瞑れた。
最後は、もちろん、渡瀬や麻生は破産し逮捕される。またかとうの父親で銀行頭取だった藤岡琢也も辞任する。
そして、高島と辺見は、残った金で工場を買い戻し、元の従業員と共に工場を再開し、めでたしめでたし。
だが、この結末は正しいのだろうか。
「日本経済はもの作り」として製造業回帰が言われたが、いまどきそんなことはない。
この高島弟の工場も、リーマンショック等で再度瞑れたのだろうと思う。