江ノ島の水族館は、なぜ砂浜に建っているのか


江ノ島の水族館は、自然海岸に立っている。自然海岸は、国有地で、国有地に教育的施設とは言え、民間の施設が建っているのは、普通はあり得ないことである。
私の知識では、国有地に民間の施設が建っているのは、ここと日比谷の松本楼だけだと思う。
松本楼は、明治時代なので、仕方のないところだろう。

江ノ島の水族館は、1950年代のことなので、普通ではあり得ないことだ。
これを実現させたのは、当時日活の社長だった堀久作である。彼は、小佐野賢治のような政商で、日比谷にあった日活本社があったビルも、米軍用の駐車場を作るとのことで、払い下げを受けた土地だった。
だから、江ノ島の水族館の場合も、国への政治的運動の結果として国有地に建てられたものだと思う。
堀久作の息子の堀雅彦氏が、館長だったが、彼が亡くなった後は、妻の堀由紀子氏が館長になっていた。因みに彼女は、日経連の常務理事藤井丙午の娘である。

1950年代末の日活映画で、江ノ島の水族館がよく出てくるのは、こうした関係からである。

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