『サラリーマン清水港』

川崎市民ミュージアムで『サラリーマン清水港』の正・続編を見た。森繁、三木のり平らの「芸」にひさしぶりに接してとても幸福だった。
今のテレビ、映画に一番欠けているのが、芸である。芸なし芸人の芸を見せられるほどつらいものはない。

『清水の次郎長』を下敷きにしたサラリーマンもので、他愛のない映画。酒造会社清水屋の話。
いつものとおり森繁が3代目社長、小林桂樹が秘書課長、加東大介が専務、三木のり平は清水工場長で、例によって二言目には「芸者をぱあーッと挙げて」専門。
森繁との会話の間(ま)が最高である。
続編には、河津清三郎を接待して珍芸を披露する場もある。

タイトルには、児玉清が法印でのっているが一切なし。おそらく、公開時に時間の関係でカットされたのだろう。

森繁らうるさい芸人相手に、こういう作品を作り続けた松林宗恵はすごい。
それは、今回の選挙で大物政治家の意向を一切考慮しなかった小泉首相との摩擦を考えれば、よく分かるだろう。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする