小沢昭一の説によれば、「懐メロ歌手というのは、生きていないとだめ、死ぬとすぐに忘れられる」のだそうだ。
確かに、淡谷のり子が長い間懐メロ歌手の代表のようだったのも、長生きしていたからだろう。
映画監督も同じで、木下恵介や今井正などは、生存中は大監督だったが、死んでからは余り評価されていないようだ。先日、TBSが何故か平日の深夜に木下の『女の園』と『花咲く港』を放送したが、一昔前ならもう少しましな時間に放映しただろう。
『女の園』は、京都女子大の紛争を素材としているが、そこには今回で引退になる土井たか子もいたそうだ。彼女は、その後、同志社大に入った。
『女の園』は、高峰秀子、岸恵子、久我美子、山本和子ら目もくらむような美人女優が生徒として出ているが、土井は一体どういう立場だったのかね。