『野獣都市』

録画してあった福田純監督、黒沢年男主演の『野獣都市』を見る。

原作が大薮春彦なので、簡単に銃器が振回されて、発射される。

1970年なので、黒沢は大学の研究生らしいが、そこに全共闘の学生が押し掛けてきたりする。

彼は、孤独な銃器マニアで、そこを買われて、製薬会社社長三国連太郎の運転手兼ボディガードになる。

三国は、元軍隊の秘密諜報員で、戦後は仲間だった小松方正と闇の仕事をやっていたが、今は中規模の製薬会社になり、娘の高橋紀子を、大会社社長清水将夫の息子伊藤孝雄と結婚させる。

会社の財政的窮状を逃れるためだったが、逆に清水・伊藤親子に自社の株を買い占められていることを知る。

そこからは、三国・黒沢対清水・伊藤、さらにヤクザの青木義朗、大滝秀治らとの対決になる。

いろいろな銃撃戦があった後、清水のバックには、財界の黒幕で、児玉誉士男を思わせる北竜二が一番の悪であることがわかる。

彼も殺した黒沢と高橋は逃走するが、警官との銃撃戦により、黒沢は死んでしまい、一人高橋が黒沢を抱きしめるのだった。

黒沢年男は、若者の孤独感は表現しているが、いかにも筋が単純で、安易である。

この時期の東宝のアクション映画は、この程度のものだと言えばそれまでだが。

                                                

日本映画専門チャンネル

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