12月8日は・・・

6年前に私は以下のように書いた。

48年前、大学1年の私は、英会話の授業を取っていた。先生は、NHKの番組にも出ていて、三島由紀夫にも英会話を教えたという、ヘンリー・ザバテロさんの奥さんだった。普通のアメリカ人の女性で、ともかく出れば良いので、さして面白くなかったが、毎週出ていた。そして授業が終わって、最後に次のように言った。
「かつてアメリカと日本の間には不幸な出来事があったが、今後も仲良くしなくてはならない」普通、授業以外のことをほとんど口にしない方だったので、皆「あれっ」と思った。その時、私は思った。
「今日は12月8日だ!」1960年代中頃の当時、アメリカ人はまだ真珠湾を忘れていないんだなあと思った瞬間だった。

この真珠湾攻撃については、ルーズベルト大統領がやらせたのだという説がある。
だが、当時の日本人の回想を読むと、みな大変に驚いている。
徳川夢声の日記を見ても、「日本軍は魔法を使ったとしか思えない」と喜びを書いている。
今で言えば、サッカーワールドカップで、いきなり日本が優勝したようなあり得ない喜びと驚きだったと思う。
このように、当時の日本人が到底想像できないことであり、米軍もいずれ開戦になるとは思うが、どこでいつやるかは不明で、ルーズベルト大統領がやらせたというのはないと思う。
ところで、この真珠湾攻撃については、東宝が協力している。

東宝には、当時航空教育資料製作所というのがあり、ここで陸海軍から委託を受けた「マニュアル映画」を作っていたのだ。
スタジオでは、地上の模型を作り、そこに戦闘機を飛ばして模擬戦を映像化し、さらに文字で説明するマニュアル映画を作っていたのである。
真珠湾攻撃の成功の後、東宝には軍から感謝の電話があったと、うしおそうじさんの本『夢は大地を駆け巡る・恩師円谷英二』に書かれていることである。
このスタジオは、戦後の東宝ストライキ後は新東宝の主力スタジオになり、倒産後は国際放映と日大商学部になっり、現在に至っている。

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