田口史人さんが、毎月最終火曜日にやっている「レコード寄席」
今回は、移民とのことで、日本から海外に行ってそこで作られたレコードなど。
まずは、日本人製作で最大の世界的ヒットになった『スキヤキ』から。
坂本九の『上を向いて歩こう』だが、イギリスのジャズ奏者ケニー・ボールによって最初に吹き込まれた時、適当に『スキヤキ』と名づけられ、坂本のオリジナル版が米国で出された時も、その名で大ヒットする。
非英語言語曲で、ビルボード1位になったのは、これとイタリアのドメニコ・モドーニョの『ボラーレ!』だけなのだそうだ。
『スキヤキ』には各国版があり、ドイツ、アラブでも作られているとのこと。
移民で、一番多いのは、言うまでもなくハワイで、『ジャパニーズ・ルンバ』『ゴメンナサイ』『サヨナラ』などの、日系ハワイ人によって日本語、英語チャンポンの摩訶不思議な曲が作られて、かなりヒットしたのである。
ハワイに続いては、アメリカ西海岸、日本語のラジオ局もあり、tokyo happy coats というグループの英語版『君といつまでも』も面白かった。
これは、「今日本ではこういう曲がヒットしてますよ」という番組で、日本のフジ・テレビの『ザ・ヒットパレード』のアメリカ版のようなもの。
ロスのクラブ西銀座を本拠としていた細川綾子さんのレコードも。この人は、日本でも活動している。
南アメリカでは、ブラジルも結構あり、1967年に皇太子夫妻(現天皇陛下)がご訪問された時の大集会の実況レコードが最高だった。
宮坂さんという実行委員会代表の方が最後にご挨拶されるが、途中で感極まって涙声になってしまい、ご夫妻ご退出の際が、『さくらさくら』の大合唱。
田口さんは、「まるで暴動が起きるみたいだ」と言っていたが、本当にすごかった。
最後は、アルゼンチンで録音された『タンゴ・イン・キモノ』で、藤沢嵐子と阿保郁夫のデュエット。
来月は、阿保さんとアルゼンチンの特集で、2月24日、黄金町の「たけうま書房」である。