『世代』から、もつしげで

午後は、川崎市民ミュージアムに行き、ポーランドのアンジェイ・ワイダの監督デビュー作の『世代』を見る。

1944年、第二次大戦末のポーランドのワルシャワ近く、ドイツが占領していて、主人公の極貧の青年は、東部戦線、つまりソ連との戦場に運ばれる貨車の石炭を貨物車から落としてドイツ軍を妨害している。

だが、政治的な確信から等ではなく、ただの遊びであるが、仲間にはチブルスキーの顔も見える。

木工所の見習い工になるが、最底辺の工場で過酷に働かされるが、そこでマルクスの剰余価値の搾取を教えてくれる共産主義者にも出会う。

夜学に、若者をアジテーションする女性闘士が現れ、彼女の美しさにも引かれて彼は、レジスタンスの闘士になっていく。

また、ユダヤ人のワルシャワ蜂起の失敗や、反ソ連のレジスタンス運動の存在も描かれる。

このワルシャワ蜂起と反ソ連運動は、『地下水道』と『灰とダイヤモンド』のテーマになる。

                     

見たのち、ギャラリーで公開されている「折元立見展」を見る。

折元という人が面白い方で、川崎市に生まれ、今も渡田に住んでいるが、東京芸大受験にに7回落ち、渡米しナム・ジュン・パイクらと出会い、独自のパフォーマンスをするようになる。

それは、高齢で認知症の母親とのものなど、ほとんど冗談というか、「本気なの」と言いたくなるものでもあるが、妙におかしなものでもある。

ジョン・ケージの「4分33秒」も上映されているが、これもほとんど冗談のようなものである。

アメリカには伝統文化がないので、前衛文化や芸術が尊敬される傾向があり、それは政治や社会においても同様のものに思える。

夕方は、地元の吉野町に戻り、「もつしげ」でビールを飲みながら、のんびりと外の通りを眺める。

こういう雰囲気の店は、横浜には意外にも少ないので、ここは最高だと私は思う。

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