よくできたアクション映画だが、同時に演説映画でもある。脚本のカール・フォアマンは台詞でのやり取り、演説が好きな人で、最後の主人公グレゴリー・ペックとデヴィット・ニーブンとのやり取りは、日本で言えば橋本忍脚本での丹波哲郎の演説というところか。
ナチに占領されているギリシャの島ナバロンの長距離砲があり、イギリス海軍の航行を妨げていて、島に海から上陸して要塞に行き、爆破するチームの活躍を描く。
まず、小さな木造船で船出すると、すぐに警戒船が襲ってきて、銃撃戦になる。
ついに、島に着くが断崖絶壁で、ペックがロッククライミングの要領で登っていくが、アンソニー・クエイルは途中で落ちて足を折ってしまい、彼を手製の担架で運ぶのも一つのサスペンスとして設定されている。
現地のパルチザン、イレーネ・パパスの手引きで島を横断し、ギリシャの村の結婚式に紛れ込み、要塞までもう一歩のところで、ついにナチスにつかまってしまう。
そこで裏切り者がいることも分かる。この時のデヴィット・ニーブンの推理はすごいが、本当にそうだったのかなと思う。
最後、ペックとニーブンは要塞の大砲に爆弾を仕掛けるが、なかなか爆発しないところも面白い。
1961年と、ギリシャとイギリス、アメリカの関係が良好だった時代の作品だと思うが、そこには共通の敵のナチスに共に戦ったという体験があったのだなと思う。
フィルムセンター
コメント
>スタンリー・ベイカーは途中で落ちて足を折ってしまい
足を折るのは、アンソニー・クエイルが演じる「フランクリン少佐」ですよ。
ご指摘ありがとう。直します。
グレゴーペック、大好きです。
スパイと判明した人物を
容赦なく○○したシーンの
シリアスな演技が印象的でした。
「ローマの休日」で
王女との最後の別れで
去った姿を、見ないよう言われ
万感こめて車を走らす場面は
せつない思いがしました。
会見終えたラストで
一人残った会場を去る場面の潤んだ目は
ほんものと信じたいです。
グレゴ(リ)ーペック
「リ」 が抜けてました。
失礼しました。
いつでしたか、中丸薫さんが
グレゴリーペックにインタビューした際に
『自分をハンサムと思っているでしょう?』
と、いきなりの質問
グレゴリー氏が否定しても
『いえいえ、そう思ってるはずよ~』
の応酬を、4回近く繰り返し
1. 2回位は照れ気味モードのグレゴリー氏でしたが
後半は苦笑されてました。
女史の肩書きに期待していたのですが
アメリカまで来ての質問がこんな程度か。。。と
かなりがっかりした記憶あります。