本来、都道府県知事というものは

千葉県で、知事に森田健作が当選した。
4年前の前回選挙は惜敗だったので、まあよくがんばったというところだろうが、その言動は軽薄で、見ていて愉快ではない。
しかし、森田健作にしろ、東京都の石原慎太郎、大阪の橋下等、言動に問題のある知事は多いが、行政が混乱したということは余り聞いたことがない。
これは、なぜか。
それは、本来知事が、「儀礼的存在」で、行政の実質に関わりがないからである。
さらに、都道府県によって多少の差はあるが、都道府県の予算の60%は、人件費であり、県職員の他、警察官、さらには市町村の小・中学校の教員の給与である。
つまり、きわめて単純に言えば、都道府県と言うのは、給与支払い団体であり、知事が自己の裁量で出来る事業はきわめて少ないのだ。
これは、本来道府県と言うものが、明治時代に東京の政府の命令、指示等を日本全国に伝えるため、当時は電話もなく文書のみで、直接市町村に伝達するため、市町村との中間組織として置かれたことに由来している。
横浜、川崎のような指定都市は関係ないが、県の大きな仕事の一つに国の省庁の命令の伝達があり、それは今日でも市町村に対し行われている。
だから、都道府県を廃止・合併して「道州制に」という議論もあり、基本的に私も賛成である。
基礎的自治体である市町村はなくてはならないが、都道府県はなくても、他のやり方で十分にやっていけると思う。

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コメント

  1. ほんだ より:

    Unknown
    さらに細かいことを言えば、義務的に支出しなければならない費用が人件費以外にも結構存在していますから、「知事が自己の裁量で出来る事業」というのはその通りだと思います。
    (わが中田市長が「乱心」なさっても、横浜市役所が揺るがないのも、頷けますよね)

    だからこそ、トップセールスマンとして、特産品を売り歩く宮崎の東国原知事のやり方が一番理に適っているのかもしれません。