『私たちは、アヴァンだから』

千葉伸夫の『原節子 映画女優の昭和』(大和書房)の中で、原が高峰秀子と共に、自分たちのことを言った言葉である。
読んでいて一瞬、何のことか分からなかったが、勿論、戦後派、アプレ・ゲールに対して、「自分たちは戦前派、アヴァン・ゲール」と言ったのである。
原も高峰も、戦前、戦中、PCL、東宝の人気女優として大活躍した。

さて、アプレ女優とは誰だろうか。
多分、京マチ子、淡島千景あたりなのだろう。京マチ子は、実は戦時中に映画に出ているのだが、黒澤明の『羅生門』など、大きく活躍するようになったのは、戦後なので、アプレゲール女優に入れられたのだろう。
アプレ・ゲールと言うのも、戦後は広く使われたが、今は全くの死語だろう。

この千葉氏の『原節子 映画女優の昭和』は大変優れたものだが、たった一箇所だけは事実と違っている。
原節子が、山口淑子の引退記念映画として、山本嘉次郎監督の『東京の休日』に、「おでん屋の女将として出た」という記述で、先日CSで見た同作品では、日本デザイナーズ協会会長になっていた。
多分、当初の配役では、おでん屋の女将となっていたが、撮影時にはもっと立派な役に変更されたのだろう。

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