女優の小田切みきが死んだ。
彼女は、黒澤明の『生きる』の玩具工場の女工役で有名になったが、実は戦前から新劇の新協劇団に出たことがあり、戦前の東宝映画に出演していたそうだ。
女中役が多く、豊田四郎の名作『雁』でも、高峰秀子の妾宅の女中で、魚屋女房の村田千栄子に「妾の家に売る魚はないよ」と嫌味を言われている。
後に、テレビの「チャコちゃんシリーズ」で安井昌二はじめ一家総出で出て、大ヒットになる。
四方晴美、正美らの娘たちも出ていたが、皆普通に結婚して引退したようだ。
その意味では、大変健全な家庭なのだろう。
その辺が、安井昌二の役者としての面白みのないところだが。