太陽族、ヌーベル・バーク、ボサ・ノバ

日本の太陽族の小説や映画、フランス映画のヌーベル・バーク、そしてブラジルのボサ・ノバは、関連性があったというのが私の説である。
ヌーベル・バークに日本の太陽族映画『狂った果実』が影響したことは、トリフォーが著作の中で書いていて、石原慎太郎が自慢している。
だが、私の考えでは、太陽族もヌーベル・バークも、戦後のアメリカの大衆文化(映画、ジャズ、ハードボイルド小説、キャバレーなど)の影響のもとに出来た新しい大衆文化なのだ。
また、ボサ・ノバもジャズの影響を受けたブラジルの都会の若い世代の音楽である。厳密に言えばボサ・ノバ以前のプレ・ボサ、歌手で言えばドロレス・ドーランやディツク・ファーニーらが典型で、これらの方が近いかもしれないが。
これらには、共通した感じがある。
日本で言えば、昭和20年代後半から30年代中ごろまでは、大変混沌とした時代で、沢島忠の映画では時代劇なのに、ミュージカル的だったりするように、大変不思議な文化の時代だった。

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