モーツアルトもつまらなくできる

昨日は、何も予定がなかったので、泉区のテアトル・フオンテで舞台音楽研究会主催のモーツアルト『魔法の笛」を見たが、その才能に感心した。
これほどまでつまらなく、楽しくなく出来る能力に。
指揮・吉田顕、演出小沢慎吾。

まず、上手、下手、中央に平台がパイプ足のまま置かれている。何か抽象性的な演出意図があるのかと思ったが、特になし。ただ不細工なだけ。
衣装、セット、振付、照明等がすべてひどい。
主人公のタミーノの衣装は紫色のベラベラの化繊に幅広帯で、まるで沖縄の太守のよう。女性の衣装以外に金がなかったのか。
色彩も全体に暗く、祝祭的な華やかさ明るさが全くない。
この原作はエジプトだそうだが。

「独自にアレンジ」したそうだが、何しろ筋が良く分からない。
私はそこまでではなかったが、隣のおじさんは1幕はほぼ全部、2幕も後半はすべて寝ていた。
どんなにひどい舞台でも、音楽の公演はどこか楽しいものだが、ここにはその楽しさに全く欠けていた。
販売促進で幼児・児童が多数出るが、こういうのはやはり邪道で、見るものをバカにした行為である。
当日券4,000円だったが、2,500円以上は暴利。
家に戻り、カール・ベームのレコード版を聴き耳直しをする。

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