『桜の代紋』

幻の名画特集、1973年の東宝・勝プロ制作作品、原作、制作も若山富三郎となっており、勿論主演。
脚本石松愛弘、監督三隅研二、撮影森田富士男で、大映系のスタッフ、キャストが多いが、石橋蓮司、真山知子、草野大吾らの若手演劇人も出ている。
若山富三郎は、大阪府警の刑事で、暴力団担当。
岩国基地で、米軍兵士から石橋が拳銃の横流しを受け、関西に持って来るが、途中で警官を殺害する。
石橋の妻はクラブのママ真山知子で、この頃は蜷川幸雄が演出家として活躍し始めた頃で、貧困生活を真山の映画出演が支えていたのである。

最後、若山は、暴力団の事務所に単身乗り込み、大滝秀治ら全員を射殺するが、自らも殺されてしまい、警察幹部内田朝雄は「あるまじき不祥事」との声明を出して映画は終わる。

特筆すべきは、若山の体技である。
柔道4段で、石橋を自供させるために柔道で痛めつけるときの技の決まり方。
最後に若山は、大滝の事務所で暴力団に暴行されるとき、机から落ち回転して壁に激突する迫力。
こんなことは、小林旭でも不可能だった。
勝新太郎も殺陣が上手かったが、体技については、やはり若山の方が上だろう。
日本映画専門チャンネル

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