『津軽じょんがら節』

1973年、ATGで公開された斉藤耕一監督作品。
キネマ旬報ベストテン1位になったが、本当にそんなレベルのものなのかと思い、ツタヤで借りてきて見た。
今日見ると、内容の希薄さがやはり気になる。

筋と人物は、ひどく通俗的なもので、津軽に戻って来た江波京子と若い男の織田明が、津軽の村の貧困や複雑な人間関係の中で壊れていくものを描く。
結局、女は村を出て行き、男は、盲目の少女中川三穂子と一緒になり、漁師として生活しようとしたところを、元のヤクザに殺されてしまう。
この話のつまらなさを救っているのは、言うまでもなく坂本隆典のカメラとじょんがらの三味線である。
この辺の映像と音楽の感覚は、さすがに斉藤耕一はすごいと言える。

戸田春子、田中筆子、東恵美子らの女優が出ている。
この作品でも、村の濃厚な人間関係、近親相姦は、シナリオの中島丈博のものだが、これは1975年の黒木和雄監督の『祭りの準備』では、中心のテーマとなり、大きな成功を得ることになる。
ここが、斉藤と黒木の監督としての差と言うべきだろうか。

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