がっつりとサクサク

他人が使う言葉にはあまり意義を申し上げないつもりだが、この「がっつり」と「サクサク」は少々気になる。

がっつり食うなんて言われると、小林信彦ではないが、不快になる。
近年、小林信彦の書くものは、大島渚の映画『御法度』の過大評価以来、少しおかしいのではと思っているが、この「がっつり」を気になる言葉とするのは、賛同できる。
これは、多分がつがつ食うや、がっぽり儲けると言った表現から来たものだと思う。
人様の面白そうな食い物のブログでも、「がっり食った」と書かれていると、由利徹ではないが、途端にがっくり来るのである。

さて、サクサクと言うのは、本来「悪評サクサク」のように、あまり芳しくないことの形容だった。
だが、最近では「サクサクと仕上げる」のように、手際よく処理することの表現になっているらしい。
これは、多分以前からあったやや俗語的な表現に、さっさとやる、と言うのがあり、これからの転用のように私は思う。

このような崩れた表現で面白さを出そうとするのは、芸人がお客に受けるためにやることで、われわれ普通の人間がするべきことではないと思う。
いずれにしても、気にならない人が使うのは自由だが、私は愉快ではないので使用しない。

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コメント

  1. uhgoand より:

    口にだすのも恥ずかしい
    「サクサク」はPC関連の派生語として10年くらいまえから目につきはじめた
    ソフトウェアが増えOSも満艦飾となりウェブサイトの検索も重く表示に時間を要すようになり その対語として軽快にスピーディに動くさまの表現として「サクサク」が用いられだした

    いまの世 口に出すのも恥ずかしい言葉であふれている 以下
    「原点」「踏まえて」「がんばろう○○」「癒やされた」「感動をありがとう」
    「元気をもらつた」「一生懸命(一所懸命なら美しいが――)」
    「自分をほめてあげたい」「自分へのご褒美」「(我が子や犬畜生に)○○してあげたい」等々・・・・・・

  2. その他にも
    生きざま、上から目線などなど。

    さらに、勝組、負け組も、ブラジルの本来の意味とは逆になっている。
    戦後のブラジルで、日本の敗戦を認めない連中が勝組で、それをきちんと認めようという人たちがが負組だったのですが。
    だが、今の日本では実生活で失敗したのが負組で、運よく金を儲けた者が勝組とされています。