『日記逍遥・昭和を行く』 山本一生 平凡社新書

古川ロッパについて書いた本が面白かったので、これも読むことにした。ここに出ているのは、木戸幸一、矢部貞治、有馬頼義、笹川良一、石射猪太郎、中原延平、古川ロッパ、内田収三である。

私が知らなかったのは、中原延平と内田収三で、中原は東亜燃料工業の幹部になる方である。

内田は、千葉で蚕の生産の指導員から、戦時中にはヌートリアの飼育で財を成した人で、戦後は信用金庫の代表を務め、ゴルフの高齢者の記録を出した人とのこと。

へえ、いろんなものが、戦時中には金になったのだなと思う。ヌートリアは、兵隊の毛皮として需要があったのだそうだ。

やはり、日記の一部でも読んでみて面白いのは、木戸幸一と古川ロッパである。

                                                                 

ロッパでは、朝日新聞の記者だった鈴木文四郎との交友が書かれている。

中原延平のところでは、石油精製のことが出てくる。フードリー方と言う、オクタン価を上げる技術の取得の件が出てくる。

司馬遼太郎は、騎兵部隊の長だったことがあるが、そのタンクの性能も問題だったが、何よりもガソリンのオクタン価が低くてどうにもならなかったと書いている。

東亜燃料工業は、私は外資系だったと思っていたが、全く逆で、昭和初期に国策で、石油生産を増産するために作られた会社だった。

つい最近まで、超優良企業で、給与が高いので有名だった。

一番おかしいのが笹川良一で、巣鴨拘置所内で「センズリ」競争をやらせたと言うのだから、まことにお笑いである。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする