『初恋』

1969年に起きた3億円事件の犯人が女子高生という意表をつくアイディアは面白いが、表現にテンポとメリハリがなく、2時間は長い。映画としての表現よりも、1960年代の事象や流行を追うのに忙しい。
3億円強奪のシーンが一番面白いのは、フィクションとしては問題である。

時効成立時に作られた『実録3億円事件・時効成立』(監督石井輝男)では、犯人は年上の女小川真由美に養われている若者岡田裕介だったが、今や彼は東映の社長である。
この事件の犯人もどこかで平穏に生活しているのだろうか。

些細なことだが、当時新宿にあったジャズ喫茶のジャズ・ビレッジだか、ビレッジ・バンガードと、何度も出てくる新宿駅南口が、すぐ近くに見えるのは、おかしい。
方角としては、全く逆で、相当に遠いのだから。

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