『有難や節・ああ有難や有難や』

先週の『俺の故郷は大西部』と並び、日活アクションの珍作。守屋浩のヒット曲を基にしたアクション・コメディ。監督西河克己、和田浩冶主演。相手役は清水まゆみ、吉永小百合は清水の次で、わずか2シーンのみ。

ポンコツ屋で働く和田は、店主森川信が信仰する豊川稲荷に息子を探しに行き、様々な騒動に巻き込まれる。
息子は歌手の守屋浩で、シリア・ポールの姉ポール・聖名子らも「龍城」という悪漢田中信夫のキャバレーで歌い、田中の手下のかまやつひろしも奇妙な歌を歌っている。
竜宮城のセットが面白い。美術は佐谷晃能氏、彼は後に『一杯のかけそば』の事故で下半身不随となり、労働災害裁判事件になる。

作曲家浜口庫之助が、山高帽を被り耕運機に乗り、「昭和天皇」そっくりに
奉納するギャグが有名。
内田良平は、田中の配下だが「汚い手は嫌い」として、和田に助力する「宍戸錠」的悪役。
清水の父・山内明の会社社員・近藤宏は、実は田中に内通していて、清水に横恋慕している典型的悪役。

最初に和田が乗っている車は、メッサー・シュミットのような三輪車だが、メッサーとは逆に前が2輪、後ろが1輪になっている。
この車はなんなのか。
メッサーを真似た国産車だと思うが、一体何でしょうか。
フィルム・センター

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コメント

  1. 「特急にっぽん」
    1961年に公開された
    川島雄三の喜劇「特急にっぽん」にも
    「ありがたや節」を歌い続ける謎の団体が出ており
    ナンセンスな味を出していました。

    誰の歌だったかな~と思っていましたが
    守屋浩だったんですね。
    当時かなり流行ったようですね。