『ミルドレッド・ピアーズ』

朝、テレビを見ていて、どこも面白くないので、BSに廻すと緊張した画面で、『ミルドレッド・ピアーズ』。

よくわからなかったが、殺人事件で、女性主人公がロスの警察に取調べられていて、夫が殺されて、彼女の前夫バート・ピアーズが犯人とされているが、彼女は否定する。

女性ピアーズは、ジョーン・クロフォードで、前夫との生活を話始める。

17歳で、不動産会社の経営者と結婚した彼女には、二人の娘がいて、長女はバレー等を習っていて、夫は生意気すぎると心配している。

長女ヴィーダは、アン・プライスだが、非常に色気があり、日本の女優ジュディ・オングに似ている。ジュディは、10代のときからテレビに出ていて、「妙に色気のあるガキだな」と思ったことを思い出す。

そして、夫は、ミルドレッドが子供のために金を浪費しすぎるとのことで別居し、ついには離婚に至る。

彼女は、子供の生活を支えるためにレストランのウエイトレスで働くようになり、上手くできるようになり、自分には経営の才があることに気付く。

そして、彼女はバートの元共同経営者だったウォーリーの紹介で、元は大富豪だったが、金に困っていたベラゴンからある建物を買取り、レストランに改装開店して大繁盛することになる。そこには、前の店のレジを担当していた女性や、家の使用人だった黒人女性(『風と共に去りぬ』の黒人召使役の有名な方だ)などを使うなど非常に上手い経営をしている。

そして、ベラゴンとミルドレッドは恋仲になり、ついには結婚する。だが、すごいのはここで二人はミルドレッドの資産の一部をベラゴンが所有する約束もすることである。

ヴィーダの浪費癖はますます進み、ベラゴンらとも付き合うようになり、ついには家出して、キャバレーの歌手になってしまう。

ミルドレッドは、それをやめさせるが、今度はヴィーダは上流階級の若者と付合うようになり、ついには結婚してしまい、相手の家の家族と争うことになる。一銭も払うかという相手に対し、「妊娠している」と言って1万ドルの慰謝料を取る。このヴィーダは、下層出の母親を軽蔑していて、自分は上流の人間になりたい欲望があるのだ。

最後、ベラゴンは、元は大富豪だったが、人の好さと浪費で破産しているが、そんなことは気づかず、ヴィーダはベラゴンと付合っている。

それをやめさせようとベラゴンからミルドレッドが買取った郊外の豪邸に行くとヴィーダもいる。

そして、ラストは、ヴィーダを抱こうとしてベラゴンを彼女が銃殺し、ミルドレッドがメキシコに逃がそうとしたことが分かる。

こう書くと、まるで「火曜サスペンス劇場」みたいだが、1945年に作られているのは、やはり日本とアメリカとは50年以上の差があると言えるだろう。

監督は『カサブランカ』のマイケル・カーチス、原作は『郵便配達は二度ベルを鳴らす』のJ・M・ケインである。

この名作をほとんど予告もなく、平日の午前中のBSに放映するのはどうしたことなのだろうか。

NHK BS

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