ライブドアがにっぽん放送の株を買い占め筆頭株主になったそうだが,増村保造の『夫は見た』はまさにそうした映画だった。
キャバレー経営等で金を貯めた野心的な青年実業家田宮二郎は,ある老舗企業の株を買い占める。驚愕した会社は,担当の川崎敬三に対処させる。だが,大株主の小沢栄太郎は,無能な二代目社長らより田宮の方が見込みがあるとして,田宮に売ってしまう。
川崎の妻・若尾文子は,田宮と夫の交渉の中で知り合い,二人は激しいい恋に落ちる。
最後,田宮は会社乗っ取りに成功するが,愛人の岸田今日子に殺される。それを知った若尾も自殺する。
ここで増村が述べているメッセージは,金より何より愛に殉じて死ね,と言うことである。
増村の時代を越えた先見性がすごい。
堀江くんは一体何に殉じるのだろうか。
金も女も,と言うのだろうか。