中曽根元首相の力で

中曽根康弘元首相が亡くなられて、その功罪がいろいろと報道されている。
その中の一つに「民活事業」があったことは意外にも出ていないので、書いておく。
民活事業とは、公共事業に民間資本を導入することで、当時は極めて画期的な仕組だった。
国レベルでは五つあり、東京湾横断道路、幕張メッセ、羽田空港沖合展開、関西新空港、そして「パシフィコ横浜」と命名されることになる横浜国際会議場だった。
そして、これにはJAPIC・日本プロジェクト産業協議会の強力な後押しがあった。参加していたのは、新日鉄、日本鋼管、住友金属などの重厚長大産業の企業だった。
つまり、重工業産業からの転換を図ろうとするものだったのであり、その流れは今も続いている。
各企業は、この民活事業に参加する他、自らも関係企業を作って新規事業に参画した。
中には成功したものもあるが、今日では、その多くは失敗に終わったようだ。
だが、それは当然で、新規事業など、すぐに成功するものではないのだ。
現在では、ベンチャー事業はそう簡単には成功しないものだということが分かってきているように思え、これは良いことだと思う。

さて、五つの民活事業だが、パシフィコ横浜のように、多くはなんとか成功してきているようだ。
中曽根康弘氏の功績の一つとして書いておく。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする

コメント

  1. より:

    ベンチャー企業は勝ち負けがはっきりしていますが、成功者はメディアの寵児となる事が多いですね。それだけ新事業に魅力があるからでしょうが、ベンチャー企業への低評価はいただけませんね。

    保守的な企業が学歴などのキャリアを重視しているのに対して、ベンチャー企業は履歴書も取らない形態もあるそうで、学歴社会に対応し切れない人材を活かすのが、そうしたベンチャー企業で、更には、芸能界という能力主義やカリスマを重んじるメディアも学歴やキャリアにはこだわらないでしょう。

    そうしたベンチャー企業とメディアの力に対する考え方は近いがゆえに、時代の寵児が突如として現れるのでは無いでしょうか。

  2. 匿名 より:

    面白くないね。