古いビデオをDVDに変換する作業をやっていて、つい見てしまったのが、以前NHKBSで放送された、この「ユーゴの崩壊」である。
多分、3回目だと思うが、ともかく状況が複雑で非常にわかりにくい。
イギリスのプロダクションの製作なので、欧米寄りで、セルビア系のミロシェビッチ、カラジッチ、ムラジッッチなどが悪役にされているが、本当にそうだろうか。
クロアチアのツジマン大統領も相当なもので、ボスニア紛争では、イスラム系と手を組んでボスニア内のクロアチア人を守るためにセルビア人を虐殺したのだから。
ともかく、ここに出てくる指導者たちは、皆権力の亡者で、敵をせん滅することしか考えていない。
さらに、ここでは国連の無力さ、イギリスの楽天主義にも極めて批判的であるが、当時は労働党のブレア政権だったためなのだろうか。
ともかく、驚くのは、セルビア系やイスラム系などに、それぞれに民兵なる暴力組織があり、重武装をして互いに戦闘しあうことである。
そして、いつものことだが、傷つくのは普通の民衆で、戦争の被害者はつねに弱い者である。
民族浄化、エスニック・クレンジングとはなんとおぞましい考え方であることか、反中国、反韓国の方が、そうなっていないことを望みたいが平気なのだろうか。
好戦主義者らしい安倍晋三君にもぜひ見ていただきたいシリーズである。