美術監督のデザインではないか

職場の歓送迎会が鎌倉で開かれた。
元松竹大船撮影所近く有名なMの系列の和食店で、なかなか美味しい料理だった。
内装も立派なもので、骨太の木材を組み合わせてむき出しにしていた。
どこか映画のセットのようで、ここは撮影所に近く、スタッフも利用してはずで、多分このデザインは、誰か映画の美術監督のものではないかと思った。
この辺には、松竹のスタッフ、キャストが利用したレストランのM、T等があり、佐田啓二も、店の関係者と結婚したはずだ。

映画の美術監督木村威夫さんの本を読むと、1960年代、木村さんは日活で多数のアクション映画を作っていた。
鈴木清順監督の『東京流れ者』『けんかえれじい』、さらに芦川いずみ主演の蔵原惟善監督の傑作『硝子のジョニー・野獣のように見えて』などが有名である。
その頃、木村さんは地方のキャバレー、バー・クラブの経営者から、店の内装デザインの注文を沢山受けたそうだ。
「あの映画のセットのような店にして欲しい」と。
そして、それは良いアルバイトになったとも書かれている。
この店も、誰か映画美術家のものではないか、と思いつつ食事を味わった。

帰りは、JR大船駅から戻ったが、かつてはなかった笠間口という改札が横浜寄りに出来ていた。
随分便利になったものだと感心した。これも国鉄の分割民営化のおかげとすれば、評価に値する。

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