『洪水の前』

1950年のフランス映画。監督アンドレ・カイヤット、脚本シャルル・スパーク、主演マリナ・ブラディ。5人の高校生がふとしたことから殺人と窃盗を犯してしまう、非行少年もののはしりの映画。
一昔前には、シナリオ・ライターの手本とされたのが、シャルル・スパークであり、少々長いが脚本はよくできている。
この「洪水」というのは、ノアの洪水のことで、1950年当、時朝鮮戦争が始まり、第三次世界大戦の勃発と地球破滅の危機が叫ばれていた。この映画では、そうした危機感、刹那さの中で少年たちは非行に走ると解釈されている。
本当かね、と思うがその後の、ジェームス・ディーンからヌーベルバーク、日本の太陽族映画に至る「非行少年映画」の意味をある種説明しているとも言える。
マリナ・ブラディが芦川いづみのようで、とても可愛い。

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