「女、使わなかった?」

BSフジで、澤井信一郎監督、薬師丸ひろ子主演の『Wの悲劇』を見る。
3回目だが、やはり面白い。
筋は分かったいるが、その画面の展開が上手くて、どうなるか分からない。
妙な例えだが、鈴木清順の名作『野獣の青春』のようなミステリアスでサスペンスな展開なのだ。

そして、この映画で最大の見ものは、薬師丸ひろ子が劇団の総会で、その身の不始末を責められたのとき、三田佳子が、薬師丸を擁護して(本当は自分のことを守ったのだが)言う台詞である。

「あなた、女、使わなかった? 私は使ったわ。そうやって芝居をやってきたんじゃないの。静香ちゃんを責めるなら、ここにいる人は全員退団だわ!」

この映画は、重要な場面のみを表現していて、その後を経緯を省略している。
それが、筋に前進力を与え、「あれっ、どうなったの」というミステリアスな展開にしている。
1984年、まだバブル以前の時代か。

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