森崎東監督作品を見た。脚本は、近藤昭二と共同。東中野ポレポレ。
森崎は、私には苦手な監督で、その主人公がひどく一生懸命に生きているのが、見ていて少々つらくなる。ここでも、主演の若い女優は最初からひっくり返ったり、飛んだりはねたり、常に走り続けている。
この映画には、在日韓国・朝鮮人、知的障害者、天皇制、権力と暴力団の癒着等、様々な問題が詰め込まれていて、息苦しいくらいだ。
知的障害の子が、実は数字に異常な記憶力があり、偶然中古車のナンバーを記憶していたことから、暴力団が検事に送った賄賂が判明してしまう。
子の親が、潜水夫の原田芳雄で、別居している朝鮮人の妻が倍賞美津子。
終戦直後の引き揚げ船の沈没事件など、様々な事件も重ねられる。
一口に評価することが極めて難しい映画だが、何度か涙が出た。前の席にいた「不破哲三著作集」を見ていた、恐らく共産党であろう老人も泣いていた。
音楽が、宇崎竜童で、インド・バングラデシュのポピュラー音楽である、タブラを使ったバングラ・ビートのようなリズムがいい。宇崎の音楽で初めて感心した。