知り合いから招待券を貰ったので、京王線の蘆花公園駅で降りて世田谷文学館に行く。
成城石井があるなど、非常に高級な住宅地である。
小林正樹は、監督としての新藤兼人と同様に、苦手な監督で、どうも異常にまじめなところが見ていて疲れるのである。
彼の監督作品は以下のとおりである。
- 1949.12.01 破れ太鼓 松竹京都 … 助監督
- 1952.06.25 息子の青春 松竹大船
- 1953.01.29 まごころ 松竹大船
- 1954.08.25 三つの愛 松竹大船
- 1954.11.23 この広い空のどこかに 松竹大船
- 1955.05.25 美わしき歳月 松竹大船
- 1956.02.26 泉 松竹大船
- 1956.10.23 黒い河 松竹大船
- 1956.10.31 壁あつき部屋 新鋭プロ
- 1956.11.21 あなた買います 松竹大船
- 1959.01.15 人間の条件 第一部純愛篇、第二部激怒篇 にんじんくらぶ=歌舞伎座映画
- 1959.11.20 人間の条件 第三部望郷篇、第四部戦雲篇 人間プロ
- 1961.01.28 人間の条件 完結篇 第五部死の脱出、第六部曠野の彷徨 文芸プロ=にんじんくらぶ
- 1962.02.17 からみ合い 文芸プロ=にんじんくらぶ
- 1962.09.16 切腹 松竹京都
- 1965.01.06 怪談 文芸プロ=にんじんくらぶ
- 1967.05.27 上意討ち 拝領妻始末 三船プロ=東宝
- 1968.06.08 日本の青春 東京映画
- 1971.09.11 いのちぼうにふろう 俳優座映画放送=東宝
- 1975.10.04 化石 俳優座映画放送=四騎の会
- 1978.12.23 燃える秋 東宝映画=三越
- 1983.06.04 東京裁判 講談社
- 1985.11.02 食卓のない家 MARUGENビル
こう並べてみると、結構変な作品もあり、『泉』なども、今見るとかなり意味不明の作品である。
やはり、『人間の条件』『切腹』『東京裁判』が彼の最高傑作だと思われ、どれも戦争が大きな影を落としてることが分かる。
一番変だったのは『怪談』で、ある種の化け物映画をリアリズムの宮島義勇のカメラで撮ったのは大失敗だったと思う。
勿論、『燃える秋』はほとんど論外だったが。
10月にユーロスペースで特集があるので見たいが、多分『食卓のない家』は上映されないだろう。MARUGENの映画は問題があって上映されないそうだから。