日本映画専門チャンネルでやっているNHKの松本清張シリーズだが、1970年代の主に和田勉が演出した「土曜ドラマ」ではなく、1959年放送のもの。
出演は、淡島千景、西村晃、佐分利信、久米明などだが、悪役で小林重四郎が出ているのが珍しい。この人は悪役で迫力があるが、時代劇専門で、現代劇は珍しい。
その他、小沢昭一、山岡久乃、田中昭夫、松下達郎など新劇人が多いが、当時テレビに良く出ていた藤山竜一、笠間雪雄、市川すみれなどが出ていて大変懐かしかった。俳優座と新派から多数出ていたようだ。
話は、清張作品によくある汚職もので、公団の経理係長西村晃が汚職の罪を被って自殺する。
その妻淡島は、はじめは普通の主婦だが、保険会社を首になった後、料理屋に働き、そこで生まれ変わる。
そして、後援者の佐分利を見つけ、自分で店を持つ。
そこには、汚職関係者が再び出入りし、彼女は最後、店の記録を持って検察庁の検事のところに行き、小林重四郎、久米明、河村弘二ら汚職の幹部への復讐を遂げる。
こんなことはありえないが、松本清張の願望だろう。