新しく出来た吉祥寺シアターで鄭義信作・演出の『カラフト伯父さん』を見た。
出演者は、岡田義徳、ベンガル、富樫真の3人。
神戸の岡田のところに、母親の最初の結婚相手だった、つまり岡田の父親のベンガルが来る。
彼は、東京で出版社をやっていたが倒産し、今の愛人のストリッパーの富樫と一緒に債権者から逃げ回る生活をしている。
岡田は、父親がやっていた鉄工所を継いだが、今は休業状態で一人で悶々としている。
話は、突然転がり込んできたベンガルらと岡田との争いであり、表現としては極めて日常的で新派みたいなものである。
ベンガルは、劇団自由劇場の研究生の頃から見ているが、他人を馬鹿にしたような態度が嫌いで、ここでも余り愉快ではなかった。
最後、岡田が何故父を憎むのか、告白するところが核心で、そのためのお笑いがあるという感じだが、この告白が、例の神戸の大震災ことなので、地震に関係なかった我々には少々しらけるところだ。
特に、「カラフト伯父さん!」と岡田が助けを大声で叫ぶところが演出としては、最低。叫ばずに表現するのが、プロの演出と言うものであろう。
この劇場、狭くて客席の床が仮設のように脆弱な上、階段が急角度で問題の設計である。また場内へのエレベーター・エスカレーターもない。
公共団体が反バリア・フリー設計の劇場を作るのは大問題である。
コメント
カラフト伯父さん
吉祥寺シアターのこけら落し公演、トムプロジェクトの「カラフト伯父さん」を観に行ってきました。
新築の香りが心地よかったです。
岡田義徳さんは「PARTY7」等々、映画でのコミカル役者さんというイメージが強かったのですが、今回は闇を抱えた青年役を好演されてま