『地の果てに生きるもの』

森繁久弥が、自分の森繁プロダクションと東宝で作った作品、原作は戸川幸夫、監督は森繁お気に入りの監督久松静児。

北海道に生まれた漁師の森繁は、戦前は国後島で漁業を手広くやり、妻草笛光子との間に3人の息子を得る。
だが、長男は海に落ちて死に、次男の山崎務は戦争で死に、草笛も、戦後肺炎で死んでしまうが、薬も医者もいないためだった。
三男は戦時中は徴用で行った東京から戻り、知床で漁師になる。
だが、彼は自分で工夫した新鋭船で漁に出たが、春の突風に遭難し死んでしまう。
それは、国後島の方に逃げれば助かったが、ソ連の拿捕を恐れて島に近づけなかったゆえの悲劇だった。

男ばかりの殺風景な映画だが、最後に「死んだ場所を見たい」と、三男の婚約者司葉子が出てくるのは、まるで「掃き溜めにツル」だった。
森繁は、冬の時期の番屋の守番となり孤独に生きる。
ネコの群れだけが、彼の相手となる。
春が近づいたある日、流氷の山に登ってしまったネコを助けようとして、海に落ちて森繁は死ぬ。

三男は誰か分からなかったが、タイトルを見て、船戸順だった。
若い頃は、日活の杉山俊夫のような結構鋭い顔つきだったのだ。
中年になってふやけた船戸順しか知らなかったので、驚いた。
今や、日本で一番有名になった仁科亜季子の義理の兄で、岩井友見の夫である。

この映画は、知床半島に長期滞在してロケーションしたので、その際に森繁が作ったのが『知床旅情』である。
それにしても、この頃の同地域には雪や氷が多い。地球温暖化は本当に進んでいるようだ。
NHKBS

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コメント

  1. 戸川凛太郎 より:

    ああ
    素晴らしいオイラと同じ人が居た!

  2. 戸川凛太郎 より:

    続ああ!
    面白いのでリンクして宜しいでしょうか?
    こちらは、もうすぐ74歳ZZ(爺)です。死に行く前に楽しみたい独身元「マタギ」です。原作者戸川幸夫先生(関係なし)

  3. さすらい日乗 より:

    どうぞ
    リンクすること、構いません。
    どうぞリンクしてください。