横浜出身の落語桂歌丸が、噺家生60周年とのことで、独演会が多数開かれているが、地元の吉野町市民プラザで行われるので、見に行く。
毎日、その前を行き来しているが、中のホールに入ったのは初めて。
4階のおよそ200人の小ホール。
落語には、最適の広さだろう。
前座と歌丸師匠の弟子が出た後、本人。
はじめは漫談風の3・11の地震の際、地元南区の歯医者で治療を受けていたことなど。
中入り後、三遊亭円朝作の『真系累ヶ淵』の最初の「宗悦殺し」を語る。
根岸七軒町のあんま宗悦は盲人だが、当時の盲人の副業と言うべき蓄財による貸付業を営んでいた。
貧乏旗本の深見新右衛門にも貸し付けていて、12月の中旬、利子だけでも入れてもらおうと屋敷に行く。
貧困からアル中のごとき状態の右衛門は、昼間から一人で酒を飲んでいて、意識朦朧としている。
宗悦の催促の台詞に、激高し、思わず抜いた刀の手が滑って、宗悦を切り殺してしまう。
そこから、葛篭に入れて、下男に持ち出させ、臆病な男が置いて逃げたのを、駕籠かきが拾って長屋に持って来て、宗悦の死体であると分かり大騒ぎ。
この先、宗悦の二人の娘の数奇な運命、右衛門の息子との因果がめぐる関係など、円朝の話は、実に面白い。
この話は、1960年代に大映で映画になっており、監督は安田公義、主演は中村鴈次郎で、かなり怖い、よくできた作品だった。
当日は、元銀行員の山岸伸一さんと見たのだが、「貸した金を催促に行って殺されたらたまらないね」と話す。
吉野町にある、多分横浜で今一番美味しい焼き鳥屋だと思う「もつしげ」は満員で入れず、すぐ近くの「覇鳥」で、今秋に栄図書館で行う予定のイベントについて意見交換。
ここも悪くない。
吉野町は、もつしげ、覇鳥の他、焼き鳥番長,番吉など、安くて美味しい焼き鳥屋がある。
また、宮元町から南太田にかけては、なぜかお好み焼き、焼肉屋が多く、まだ行っていないので、そのうち行ってみることにする。
さらに山岸さんが4月からDJをやっているコミュニティーFMのFM戸塚の内情についていろいろと聞く。
まるで、私がアルバイトをしていた40年前の弱小テレビ局だった東京12チャンネル(テレビ東京)のようで、自主制作以外の番組も多いらしい。